日本人が80歳になったとき、平均で4〜5本の歯しか残っていません。25本以上の歯が、それまでに抜けてしまうのです。歯が抜けるのは自然な老化現象だと思っている人が多いですが、例えばフィンランドでは、80歳のお年寄りでも、自分の歯が平均で19本も残っています。
日本人の口腔状況を作ってきたのは、歯科医です。患者さんの自己責任にしてしまうこともできるでしょうが、これは、日本人、地域の人、自分の患者さんにすら歯科治療の真実を伝えてこなかった、歯科医の不勉強と怠慢のせいだと私は思っています。
患者さんが歯を長持ちさせるにはどうしたらいいか、正しい情報に目を向け、それを患者さんに伝えることは、これまで歯科医がやってきたやり方を否定することになります。でも私は、過去のやり方や過去の間違えていた自分を否定することを厭いません。つまらないプライドなどを気にしていたら、患者さんを本当に良くすることなどできないのです。
私が患者さんに言うことは、あなたの歯に対するこれまでの常識とは違うことかもしれません。でも、「これまでと同じように」自分の歯と付き合っていたら、当たり前のようにみんな、不自由な総入れ歯というゴールにたどり着きます。
そうならないように、「今」のあなたにできる最善のことを、私は患者さんに伝え続けます。
私は、何千人という患者さんの歯と全身の健康を診てきました。歯を失って初めて、みなさんその大切さに気付かれます。歯が一本ダメになってしまったということは、口腔内はひどい状況で、次々歯を失ってしまうでしょう。
あなたがそんな状態にならないように。あなたの歯を一本でも多く守り残すために、私は「日本の古い常識」ではなく、「世界の最前線のスタンダード」を学び、患者さんに伝え、これからも実践し続けていきます。
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